こたつの中で


うとうとして


くうくうという寝息に


はっと目を覚ますと


向かいで


お星さまがふねをこいで


おられた


輝くようないつものお顔も


今日は心なしか青ざめて


痛々しい


お空でいつも輝くのは


大変だろうな


ふと思う


お星さま いまは


ゆっくり休んでください








北風が吹くと


子供たちの頬っぺたに


林檎が生えてくる


元気よく走り回っている


子供たちは


林檎の甘い匂いを


まき散らしているよ

新しい光が空にみなぎる


雲が流れるように通り過ぎて


すきとおるような青空が広がる


あの青を吸い込み


あの青を吐きだす


降り続いていた雪はやんで


子供たちが作った雪だるまが笑ってる


純白の輝きというのはうそだ


生きている限り


ぼくらは汚れて穢れて穢されて


それでも生きてゆく


それでもこのひとときには


この新雪の白い輝きを信じてみたい


もしかしたら


擦り切れそうになったこの心のどこかに


この白い輝きは残っているのかもしれない


それをもう一度信じて


滑らないように


いや滑ったっていいから


前へと歩いてゆく

60億もの人がいて


愛し合ったり


憎しみ合ったり


時には殺し合ったり


それでも時には


一緒に歌を歌い


一緒に涙を流し


私と同じ目を持ち


私と同じ手を持ち


私と同じ足で


この丸い地球の上を


歩いている


私と同じ空気を


吸い込んで


吐きだして


泣いたり


笑ったり


結局のところ


一人ぼっちで


それでも


誰かには


つながっていて


つながっていたくて


60億もの仲間たち


自分勝手な人も


涙もろい人も


笑い上戸な人も


残酷な人も


優しい人も


威張った人も


謙虚な人も


会った人も


これから会う人も


会うことのない人も


私の兄弟


私の姉妹


これからも


どうぞよろしく


サンタクロースなら


何千何億人といる


わたしもあなたも


彼も彼女も


みんながサンタクロース


絵がうまい人


文章がうまい人


歌がうまい人


笑顔があたたかな人


クッキー作りが得意な人


花を育てるのがうまい人


黙々と力仕事をする人


どんな人でも


みんなこの世界に


贈り物を持っている


みんなの贈り物で


この世界は回ってる


わたしがサンタクロース


あなたがサンタクロース


みんながサンタクロース